Q.おいしい海苔とは、どのようなものですか?
A. 海苔を選ぶ時には、いろいろな判断基準がありますが、見た目(視覚)から判断する場合と、食べて(味覚)から判断する場合の2つの視点から評価するのが一般的です。

1:良い海苔とは………

:つくりの良いもの:厚すぎず、薄すぎず、抄きムラがない。また、穴があいてなく、破れ、縮みがない。

:色の良いもの:海苔の色素は、クロロフイルの緑、カロチノイドの黄橙色、フぃコエリスリンの鮮紅色、フィコシアニンの紫青色の混合色であります。
これらの色素量が多い時は、海苔の色は真っ黒にみえます。
また、海苔の焼いたときの緑色は、クロロフイルの緑色によるものであり、この時、フィコシアニン、フィコエリスリンは熱により大部分が消失してしまいます。

:つやの良いもの:表面が滑らかなものほど、強く光ってみえます。
老化した海苔や、鮮度の低下した海苔では良いつやは出ません。

2:おいしい海苔とは_………

:香りの良いもの:焼く前の生海苔の香りは、磯の香りでもある硫黄化合物、揮発性有機酸等が関係しています。
そして、その生海苔を焙って焼くと、アミノ酸と糖から加熱によってできる化合物が香りの成分として関与してきます。
アミノ酸は、海苔の味にも関係していますから、おいしい海苔は香りも良いことになります。

:歯切れが良く柔らかいもの:せっかく風味に富んでいても、歯切れが悪く硬ければ、海苔の中に含まれている味の成分が溶け出しにくいので、まずいと感じられます。

:味の良いもの:海苔を食べておいしいと感じられるのは、海苔の中に含まれるアミノ酸、核酸、塩分が複雑に関係していることによります。

以上、良い海苔とおいしい海苔について述べてみました。
上記のことをすべて満足する海苔が最高の海苔ということになりますが、なかなかそのような海苔ばかりを作りだすことば困難なようです。
中には、見た目が良くても食べてみれば平凡な味しかしない海苔もあったり、逆に見た目が悪くてもおいしい海苔もあります。
海苔には実に様々な“顔”があり、時期、場所によって色々な個性を持った海苔が生産されています。
海苔は変わりゆく自然の条件の中で色々な影響を受けながら養殖ざれていますから、当然それに伴って海苔の”顔”が変化し、様々な個性があらわれてくるわけです。